ドイツのホームレス事情
路上での生活-ドイツのホームレス  

彼らの存在は目立たない。少なくとも一見したところでは。しかし、目を凝らしてよく見ると、彼ら の姿はそこにある。駅の周辺や、歩行者ゾーンやショッピングセンター、それに教会や町の中心地や公園や公共の場に彼らはいる。服装は少しみすぼらしく、顔 は日に焼け、全体の姿は疲れきった感じである。中にはアルコールをたしなんだり、ドラッグをかいでいる者もいる。ホームレスと呼ばれる人達のことである。

 


彼らは時折物乞いをする。ごく控えめに「お恵みを」と書いた札を自分が座っている路上に置いているだけの者もいれば、道行く人に「1ユーロ硬貨持ってませ んか」と尋ねる者もいる。そこまでの勇気がない者は「何セントか持ってませんか」と尋ねる。中には、ドイツの都会によくあるタブロイド版の新聞を販売した りもする。

無宿者(Obdachlos)かホームレス(Wohnungslos)か:定義の違い

ビー レフェルトの町に拠点を置くホームレス支援連邦協議会によると路上生活者の数は2万人から3万人と見られている。しかし、その正確な数を知る者はいない。 時折正確な数が必要とされるのだが、だからといって誰が全ての通りや住居を虱潰しに回ってホームレスを捜すだろう。彼らは屋根裏部屋や地下室や大型のア パート、それに工事現場や公園や公共の場などで寝起きし、休閑農地や駅の構内や取り壊しになった家屋や廃墟や橋の下、それに大学のキャンパスなどに自分の 隠れ場所を探す。しかし、これも氷山の一角にすぎない。これよりはるかに多くの人が、緊急宿泊施設やホームレス収容施設や木賃宿や難民収容所といった保護 施設や友人や知人や親戚のもとで暮らしている。だが大抵は居候させてもらっているだけで、一時的なものにすぎない。


ドイツ都市連合会の定義では、ホームレス(Wohnungslos)は、賃貸契約で保証された住居を持たない者のことである。今現在、 自分の住む場所がなく、一時的に親戚や友人のもとで暮らしている人達、それに全く家がなく施設や緊急宿泊施設や難民収容所や女性収容所などに身を寄せてい る人達がこれに該当する。

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